医療機器の電子カルテで、人と病院を守る。

医療安全システムに関する研究をテーマに、ICT (Information and Communication Technology)、つまりタブレットPCやネットワークを使い、安全かつ高品位な医療環境を提供できるシステムを開発しています。臨床工学技士の業務の一つである医療機器の保守?管理。従来は筆記だった保守点検記録を電子化し、データベースで一元管理するシステムです。医師が診療経過を記録する電子カルテを機械に置き換えた「医療機器の電子カルテ」のようなものです。研究の背景には医療機器に起因する事故を無くしたいという想いがあります。医療過誤の多くは電子化によって管理?分析することで事故を未然に予防できます。また、針やテープ、ガーゼといった医療資源も統計をとることで施設運営にも寄与できます。今後は中小規模の病院でも活用できる、汎用性のあるソフトウェアを開発して裾野を広げたいと思っています。
研究室では、病院用の保守管理システムを学内向けにアレンジした研究を行います。システム全体の開発とデータベースの構築を並行して進め、学内実習向けの医療機器管理システムの構築を行います。
医療現場では、常に新たな機器が導入されシステムも複雑になります。ICTのカを身に付け、機器の保守管理だけではなく病院全体を管理できる臨床工学技士として活躍してほしいと願っています。
渡邉 翔太郎 講師
- 学位/博士(工学)
- 研究分野/臨床工学
- 研究テーマ/医療安全システムに関する研究