さらに良い地域医療を創出する

超高齢社会を迎えた日本において、住み慣れた地域での包括的な支援?サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築は喫緊の課題です。
在宅医療は、地域包括ケアシステムの中で欠くことのできない重要な医療と位置づけられており、在宅医療の進展は、超高齢社会での持続可能な医療?介護を構築するうえで必須であると考えられています。
しかしながら、在宅医療、さらには在宅医療の現場で提供される様々なサービスの有効性は明らかになっていません。
在宅医療は、
1)医療経済学的観点からのメリット、すなわち、入院医療に対して医療費を削減することが可能である。
2)住み慣れた地域で必要な医療?介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できること、すなわち入院医療に対して患者の生活の質(QOL)の向上を実現できる。
という厚生労働省の提唱した仮説に基づき実施されているものの、その科学的根拠は不明のままで、該当する研究論文がないのが現状です。
私たちは、上述した、
1) 在宅医療では、入院医療に対して医療費が削減されるはずである。
2) 在宅医療では、入院医療に対して患者のQOLの向上を実現できるはずである。
という2つの仮説に関する検証を行うことにより、さらに良い地域医療の創出を目指しています。
坂東 勉 教授
- 学位/博士(薬学)
- 研究分野/地域医療
- 研究テーマ/在宅医療の価値を検証することにより、さらに良い地域医療を創出する